卒業論文、修士論文、博士論文……。
大学にいる人は論文を書く機会が多いです。
また学生だけでなく、教職員も自分の成果を発表するために論文を書く必要があります。
しかし論文を書くと一口に言っても、中々書けるものでは有りませね。
まして英語論文なんてなおさらです。
「じゃあどうやって論文を書いたらいいの?」
そんな疑問に答えてくれるのは、佐藤 雅昭さんの著書「なぜあなたは論文が書けないのか? 」です。
そのまんまですね。
論文をなかなか書けない人、英語論文のコツがつかめない人にオススメですよ!
あなたにとって「論文」とは
筆者は冒頭でこのように述べております。
論文を書くことが無駄だと思えるならば、スパっとやめてしまおう。
無駄ではないと思えるなら前向きに頑張ろう。
卒業論文は文字通り卒業に必要ですし、学位論文なら修士号・博士号が取得できます。
また大学教員であれば、論文を出すことで評価され、出世したり栄転したりすることができます。
誰でも論文がかけるようになる本というよりは、多かれ少なかれ論文を書くモチベーションがある人向け、ということになりますね。
「時間がない」を言い訳にしない。時間がないときは細切れ時間にできる作業をする。
それだけでかなり前進できる。
論文を書くことだけに限りませんが、時間は有限です。
どんな人でも1年は365日ですし、1日は24時間です。
限られた時間を有効に使うためにも、スキマ時間を積極的に利用して行きたいところ。
今の時代ならスマホやタブレットのメモアプリで十分ネタを溜めることができそうですね。
時間と関係して、筆者はこのようなことも言っています。
安易に研究に逆戻りしてはいけない。
勇気を持って、可能な限り今手元にある材料で書き上げよう。
できれば完璧な状態で仕上げたい論文。
誰だって批判されるのは嫌ですよね。。
でもこだわっていてはきりがない。
ある程度データが出揃えば、それを発表しようと述べられています。
研究の限界、今後の展望を論文に盛り込めば、それで十分とのことです。
確かに論文を読むと「今後~~といった研究が必要である。」という記載が多いですね。
できることはできる。
できないことはできない。
潔く発表することが重要なんですね。
このように、前半は「論文を書くモチベーション」について詳しく述べられています。
個人的にはこのモチベーションが最も重要だと思います。
なんたってやる気が無ければ何もできませんから。
逆に言うと、やる気さえあれば論文を書き上げることができるでしょう。
後半は
・文章構成、書き方
・図表の作り方
・Discussionは何のために必要なのか
・投稿までに道のり
について書かれています。
どれも役に立つヒントがぎっしり詰まっています。
私も近々ケースレポートを書く予定があるので、是非この本を参考にしたいですね。
もっと論文を書くスピードがあがりそうです。
感想など
論文の書き方について書いてある本は多数ありますが、一般論が書いて有ることが多いです。
この本は具体的な例文や図表が載せられており、英文のポイントまで記載されているのが今までの本とは大きく違う点ではないでしょうか。
また架空の大学院生が登場し、会話形式で進んでいくため、とても読みやすいです。
2300円+税と決して安くはありませんが、論文を書く速さが上がり、次の論文を書く時にも使える技術が身につくと思えば買って損は無いでしょう。
論文で困っている人におすすめしたい1冊でした!